Hidenori Urata
弁護士
浦田 秀徳
プロフィール
昭和34年 | 唐津市生まれ |
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昭和53年 | 岸和田高校卒業 |
昭和59年 | 九州大学卒業 |
昭和61年 | 福岡県弁護士会に弁護士登録 |
特に関心をもって取り組んでいる分野
- 中小企業の法務一般
- 相続・遺産分割,遺言
- 土地・建物,不動産取引,売買をめぐる紛争
- 売掛金の回収
- 貸金・借金をめぐる紛争
- 貸家・土地,借家・土地その他賃貸借紛争
- 建築,工事,請負をめぐる紛争
- 交通事故
- その他損害賠償請求事件
- 離婚などの夫婦・親子関係をめぐる家事紛争
- 成年後見をはじめ高齢者・障害者の権利を守る活動
- 掛金の回収
- 労働をめぐる紛争
地域活動
太宰府ロータリークラブ
福岡県中小企業家同友会・筑紫支部
仕事に対する思い
人事を尽くして天命をまつ
大型訴訟活動
ハンセン病国賠訴訟 副代表
薬害肝炎九州訴訟 共同代表
依頼者が心から満足できる着地点を探し、
笑顔での再出発を見届けたい。
Q. 弁護士を目指したきっかけは何ですか?
A. 大学2年のときに先輩に誘われて、勉強会(不当解雇を争う人々の裁判闘争)に行ったことがきっかけです。当時、自分がアルバイトとして働く中で、不当解雇は本で学んだものよりも実社会の方がひどいと感じたこともあり、よりいっそう弁護士を目指したいと思いました。
Q. ちくし法律事務所へ入所した経緯は?
A. ちくし法律事務所の前身は「稲村法律事務所」です。1984年、稲村晴夫先生がここ二日市に開設されました。当時、裁判所がない地域で弁護士事務所をやる人はいなかった。稲村先生が日本で初めてではないかと思います。
私は先輩の紹介で入所したのですが、事務所設立から3年目の年でした。地域に根付きつつありましたが、まだまだ基盤は弱かった。前例のない地域事務所での弁護士生活スタートでしたが、不安はなかったです。若かったから怖いもの知らずだったんでしょうね。
Q. どんな分野に取り組んできましたか?
A. 私の師匠である稲村弁護士は、国を相手にした集団訴訟に取り組む人でした。代表的なものは、「長崎北松じん肺訴訟」と「筑豊じん肺訴訟」で、どちらも最高裁で勝訴判決が下されています。
その影響で私も集団訴訟に取り組むようになり、「ハンセン病国家賠償請求訴訟」では弁護団副団長、「薬害肝炎九州訴訟」では弁護団団長を務め、歴史的と言われた勝利を勝ち取ることができました。
Q. 裁判の腕は日本屈指とうかがいました。
A. 集団訴訟に取り組んだおかげで、弁護士としての考え方やスキルを学びました。いずれの裁判も原告の被害の全容や言い分を余すことなく裁判所に伝えなければならない。そして、薬害訴訟では、日本の医学会をリードする医者を相手に「あなたは間違っていますよね」という反対尋問を行う必要がある。これまで難しい裁判をやり切ってきたなかで、次第に技術が身に付いていったのです
「大型案件ばかりで、離婚事件なんかはやらないんでしょう?」と言われるのですが、そんなことはありません。数々の大型裁判で磨いた腕で臨めば、一般事件でも依頼者のニーズには十分応えられます。そして、私たちの経験と技術を地域の皆さんの幸せのために使っていくことが、大切だと考えています。
Q. 事務所の特徴を教えてください。
A. 弁護士事務所の多くは、弁護士が1人か2人という規模ですが、私たちは地域事務所であるにもかかわらず、10人近い弁護士が在籍しています。そして、身の回りの事件はもちろん、集団訴訟など社会正義のためにも継続的に活動していることが特徴です。
病院に例えると、診療科目が多く、頼りになる医者が数多く揃っているといったところでしょうか。それが、通うのが大変な都市部ではなく、くらしに身近な地方にあるということです。
また、事務局の存在も私たちの自慢です。弁護士と手分けしながら、得意分野を担ってくれています。私たちが拾えない依頼者の細かい気持ちや情報をしっかりキャッチしてくれるなど、弁護士はもちろん、依頼者にとっても頼もしいパートナーです。
Q. 事務所の代表として、大切にしていることは?
A. 筑紫地域に事務所を開いて40年あまり、私たちが何より大切にしているのは「信頼」です。弁護士のスタンスとして「報酬さえもらえればいい」というものがあり、都市部では成り立つかもしれませんが、地域に住む私たちは、そうはいきません。人と人とのつながりが希薄な都市部に比べて、地域で信頼を得るのは簡単なことではないからです。だからこそ、地域の皆さんの信頼を裏切らないよう、最後までとことん大事にお付き合いさせていただきます。これは、事務所全員の思いです。
Q. 仕事をするうえで大切にしていることは何ですか?
A. たとえ裁判で勝ったとしても、本人が納得していなければ、非常に不満が残るものです。でも、500万円の賠償金が300万円になったとしても、「やれるだけのことはやった。先生と2人でここまでやった結果なんだから、これで満足」というケースもあります。むしろ、そんな風に思ってもらわなければ、本当の解決にはならないのです。
青天の霹靂のように負け判決が来ると受け入れられないものですが、共に戦い、手を尽くした達成感があれば、思いは違ってきます。お金の面だけでなく、心から満足できる着地点を探すことが大事です。そして、最後は笑って別れられるようにしたいですね。
Q. 山登りが趣味で百名山にも挑戦したそうですね。
A. 九州大学時代はワンゲル部だったのですが、弁護士になってからは足が遠のき、40代後半で再開しました。週末は地元の四王寺山や宝満山に登っていますが、出張のついでに各地の山に登ることもあり、仲間たちからは「浦田のスーツを裏返すと登山服になるらしい」と言われています(笑)。
山登りは弁護士の仕事に似ています。例えば槍ヶ岳に登るとしたら、まずリサーチをして問題点を把握し、克服する方法を考える。そして、事態の急変に対処するオプションを考えておく。「むずかしい問題を解く」という点が共通しているんです。だからでしょうか、医者や弁護士は山に登る人が多いんですよ。
登山は弁護士の質をキープするのにも役立っています。リラックスのためには、まったく違う分野に頭を使うことがいいそうで、週末に山に登ると、心身ともに充実した状態で翌週の仕事にのぞめます。
Q. 最後に、相談を迷っている方にアドバイスをお願いします。
A. 弁護士事務所は敷居が高いと感じるかもしれません。でも、1人で悩むより、弁護士に相談した方が背負う荷物は軽くなるものです。肩の荷が降りることはなくても、私たちが半分背負えることもあります。
病院にかかるのは早い方がいいように、相談も早ければ早いに越したことはありません。例えば親権を争うとき、子どもを置いて家を出てしまうと不利になります。早い段階で相談してもらえれば、いろいろなアドバイスができ、対処の選択肢が増えます。ぜひ、お気軽にお越しください。